定額給付金
世の中には、大小さまざまな人間同士のあらそいがあります。
それを解決するのは、基本的には話し合いや一般常識から導き出されるルール(社会通念)ですが、これらで解決できない場合、最終的なよりどころとなるのは法律(正確には「法」)です。
法律は原則として万人に平等に、そして無差別に適用されるもので、「そんな法律知らなかったから自分には関係ない」という言い分は聞き入れてもらえません。
言い換えるなら、「法律は全員が熟知している」という前提の下で世の中は動いています。
普通に考えてあり得ない前提ですが、日本は法治国家なのでこの前提を受け入れるしかありません。
なかなかにやっかいですよねぇ。。。(*_*;
しかし!!
回避する方法はあります!
そうです!!
法律を知ることです!
「法律を知らない」ことであなたが困らないように、いっしょに勉強しましょう!
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴って、国民全員(場合によっては国民以外にも)に10万円を給付するという政策(特別定額給付金(仮称))が実現しそうですね。
給付対象者について、2020年4月28日時点での総務省の発表では、「基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者」となっています。
明確になっているようでまだ不明瞭な部分もあるみたいです。
話題に挙がっているのは、ホームレスやネットカフェ難民、各種の事情で出生届が出されていない無戸籍者などです。
高市総務相の説明だと上記の方々も給付の対象にしたいとのことなので、2020年4月27日に間違いなく「人」として存在していれば、たとえ2020年4月27日時点で住民基本台帳に記載されていなくても、給付対象者になれる可能性はありそうですね。
そこで今回は、いつから「人」になって、いつから「人」ではなくなるのかについて考えてみたいと思います。

この記事は特別定額給付金(仮)の給付対象者を特定するものではなく、あくまでも法律上の「人」について説明するだけですので、あしからずご了承くださいm(_ _)m
「人」とは
「人」には大きく分けて「自然人」と「法人」があります。
自然人というのは、いわゆる生身の人間のことであり、法人というのは、法律の規定によって特別に権利能力(法人格)が認められている会社、社団、財団などのことです。
とりあえず今回は、法人は置いておいて、自然人について理解を深めましょう。
いつから「人」になるのか
民法の条文の言葉で表現すると、「人になる」=「私権の享有を始めた時」であって、私権の享有は出生によって始まります。
では、どうなったら「出生」なのでしょうか。
「そりゃあ言葉通り、生まれたら、でしょ?!」なんですが、民法上は、「母体から新生児の身体がすべて露出した時」とする全部露出説が通説になっています。
つまり、「出生」とは赤ん坊が母体から完全に出てきた時であり、その瞬間に「人」になるということです。
いつから「人」ではなくなるのか
いつから「人」ではなくなるのか、つまり、私権の享有がいつ終わるのかという点については、実は法文上に明文化されていません。
ただ、死亡によって終了すると考えるのが当然でしょうし、特に明文の規定はいらないのかもしれません。
あとは、「心臓の停止」=「死亡」に議論の余地はありませんが、脳死も「死亡」に含めるか、という問題がありますね。
この部分は、まだ判例・通説も固まっていないようですが、一般的な感覚で「脳死」=「死亡」ではないように思います。
胎児は「人」じゃないの?
お腹の中の胎児も間違いなく命を宿しています。
が、前述の通り、民法上は「人」として認められてはいないわけです。
ただし、民法においても、例外的に胎児に権利が認められる場合があるんです。
それは、①相続(遺贈)と②損害賠償請求権においてです。
①については、例えば出生前に父親が死亡したような場合、胎児は本来「人」ではないはずですが、相続人になれるということです。
②については、例えば出生前に父親が車に轢かれて亡くなったような場合、胎児にも加害者に対する損害賠償請求権が発生します。
ちなみに、①②共に、無事に生きて生まれてくることが条件です。
あとがき
冒頭の特別定額給付金の件に戻りますが、個人的な見解としては、2020年4月27日の23時59分59秒までに母体から完全に露出していて、かつ、心停止していなかった人であれば、今回の給付対象者になりえるのではないかと思います。
責任は持てませんが (;^_^A
正確な回答が必要な場合は、総務省の専用窓口に問い合わせてみてください。

そーいえば、特別定額給付金を受け取る権利って相続の対象になるんですかね?
それでは、また!



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