右翼とは?左翼とは?【ピンと来ない「右」と「左」】

経済・政治

右翼

「右」「左」

この言葉を聞いて初めに思い浮かぶのは、おはしが「右」でお茶碗が「左」、だという方が大部分だと思います(右利きが9割なので)。

でも、この「右」「左」に別な意味を連想する方々もいます。

 

そう。

それがこの記事の主題である、右翼左翼です。

もちろん、政治的な思想におけるそれです。

 

「あの人は左派だ」とか、「あの新聞は右寄りだ」といった使われ方をするように、「右」「左」、「右派」「左派」、「右傾化」「左傾化」といった派生語を生んでいます。

 

アラフォーのぼくの世代でさえ、この「右」「左」はピンと来なかったりするので、(おそらく)もっと若い世代にとってはさらにピンと来ない概念であるように思います。

そこで今回は、「そもそも「右翼」「左翼」っていったい何だ?」を勉強していきたいと思います!

 

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「右翼」「左翼」を辞書で引くと・・・

 

わからないことがあったら、今は他人に聞くよりもインターネットで検索したり、「ネットの情報は信用できない!」って人でも辞書で調べたりしますよね。

というわけで、「右翼」「左翼」の意味を調べてみましょう!

 

まず、「右翼」は↓↓↓こんな感じです。

広辞苑(岩波書店)

(フランス革命後、議会で議長席から見て右方の席を占めたことから)保守派。また、国粋主義・ファシズムなどの立場。

大辞林(三省堂)

[フランス革命における国民公会で議長席から見て右側に保守派のジロンド派が座ったことから]保守的・国粋主義的な思想傾向。また,その立場に立つ人や団体。

Wikipedia

左翼の対立概念であり、保守主義・反動主義・排外主義的な思想や運動、または革命・急進に対して反動・漸進を志向する政治勢力や人物を指す。

 

そして、「左翼」は↓↓↓こんな感じです。

広辞苑(岩波書店)

(フランス革命後、議会で議長席から見て左方の席を急進派ジャコバン党が占めたことから)急進派・社会主義・共産主義などの立場。

大辞林(三省堂)

[フランス革命時,国民公会で急進派のジャコバン派が議長席から見て左側に座ったことから]急進的・革命的な政治勢力や人物。ことに,社会主義的または共産主義的傾向の人や団体。

Wikipedia

政治においては通常、「より平等な社会を目指すための社会変革を支持する層」を指す。

 

ここまでは、少し興味を持てば簡単に調べられるわけですが、この先が問題です。

「つまりどういうこと?」が全然わからないんです。

なにせ、「保守派」「国粋主義」「急進的」といった、現代の日常会話ではまったくといっていいほど使わない抽象的な単語で説明されているだけなので。

そういう意味では、「左翼」はまだ理解しやすいかもしれませんね。

ほぼ「左翼=社会主義、共産主義」という説明がされていますから。

では、なぜ「社会主義、共産主義=急進派」なのか、保守的とは何を保守しようとしているのか。

どういう政治志向が「守る」ということなのか、何を急激に進めることが左翼思想なのか。

この辺が、わかったようでわからないまま、ピンと来ないままで終わってしまうわけです。

 

「右翼」「左翼」の語源

 

とりあえず、「右翼」「左翼」の語源を探ってみましょう。

 

広辞苑と大辞林において括弧書きで言及されているように、どうやらフランス革命が起こった時期のフランス議会が語源のようです。

当時のフランス議会において、王の政治権力は削ぎつつも王政は存続させ、そして、議会における貴族の権力も守るべしとする勢力が議長席から見て右側の席(右翼席)に座り、一方、王政は完全に廃止し、さらに議会も平民の発言力を伸ばすべしとする勢力が左側の席(左翼席)に座ったことが、現在でも使われ続ける「右翼」「左翼」の語源とされています。

 

なるほど、右翼は王侯貴族の権力を「保守」しようとしており、左翼は改革を「急進」しようとしています。

ただ、ここで湧く疑問が、「左翼=社会主義、共産主義」ではないことです。(Wikipediaにおける「左翼」の説明とは矛盾していないようですが。)

 

この疑問は、フランス革命前後数年間のフランス議会の右翼席、左翼席に座る政治勢力の動きを知れば解くことができます。

 

この当時のフランス議会において、「右翼」「左翼」の意味合いはコロコロ変わりました。

前述の通り、絶対王政とまではいかないにしても、王侯貴族の権力を「保守」しようとする勢力が右翼で、平民の政治的発言力を強めよう(つまり、民主主義を進めよう)とする勢力が左翼であった時期。

そして、右翼、左翼共に民主主義志向ではあるものの、参政権はブルジョワジー(お金持ちの平民)だけで十分とする勢力が右翼で、参政権をプロレタリアート(労働者階級の平民)にも広げよと訴える勢力が左翼であった時期。

また、政治的な権力の格差がある程度なくなってくると、財産的な格差も是正しようという考えに至り、お金持ちに有利な政策推進派が右翼で、貧困層寄りの勢力が左翼であった時期。

などなど、どういった政治志向が「保守的」で、どういった政策が「急進的」なのかわからなくなるくらいの政治勢力の変遷が、この数年間で起こったと言われます。

現代風に分類すると、絶対王政、立憲王政、民主主義、民主社会主義、共産主義と呼ばれるような様々な政治思想が、右翼席と左翼席を行ったり来たりしたわけです。

 

なお余談ですが、共産主義思想の先駆者と呼ばれるグラキュース・バブーフも、この時期に出てきた思想家です。

なので、バブーフの思想、つまり、共産主義思想を持った政治勢力がフランス議会の左翼席に座っていた歴史も、起こりえたかもしれません。

 

つまり・・・

 

結局のところ、「右翼」「左翼」とは、語源であるフランス革命の時期もそうであったように、その時々の政治状況、人々の暮らす環境によって具体的な意味の変わる、曖昧で相対的で抽象的な概念である、ということです。

なので、「右翼とは、〇〇のことだ!!」、「左翼=□□!!」みたいな単純明快な答えはありません。

民主主義思想が左翼であった時期もあれば、右翼であった時期もあったわけです。

言い方を変えると、「右翼=王政存続派」の認識が正しい時代もあれば間違いの時代もあり、また、「左翼=社会主義、共産主義」の認識が正しい時代もあれば間違いの時代もあるということです。(ちなみに、現代においては、「左翼=社会主義、共産主義」の認識で間違いはないでしょう。)

 

いかがでしょうか。

なんとなーく「右翼」「左翼」が理解できましたでしょうか。

 

なお、

「右翼、左翼に明確な答えがないなら、自分が右寄りなのか左寄りなのかすらわからないじゃん! そこをはっきりさせたい!」

という方は、次回以降の記事もご覧くださいませ。

 

次回>>

 

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